PRP療法

PRP
(Platelet Rich Plasma:多血小板血漿しょう
療法とは

私たちの“身体に備わっている”「治す力」を引き出す新しい治療法であり、再生医療の一種です

PRP(多血小板血漿しょう)とは、文字通り、「血小板を多量に含む血漿」のことで、患者さんの血液を遠心分離にかけ、血小板を濃縮した液体です。血液に含まれる血小板は傷口に集まり、血を固めて成長因子を放出します。これにより、傷ついた組織の修復を促し、新しい細胞の成長が促され、自己治癒力を高めることができます。この働きを利用し、傷ついた組織や細胞を修復したり、痛みを軽減するのがPRP療法です。

PRP療法では、傷ついた組織や細胞に対して、故意に「新しいケガ」を作ります。「新しいケガ」を作ることで、治癒することを忘れて慢性化していた患部に「ケガであること」を認識させ、再度炎症を起こさせます。さらに、高濃度にしたPRPによって修復能力を高め、自己治癒力で快復させるというのがPRP療法の考え方です。

PRP療法の流れ

STEP.01

採血

患者様自身の血液を少量採取します。一般的な採血手順と同様です。

STEP.02

PRPの抽出

採血した血液を遠心分離し、血小板を多く含むPRP(多血小板血漿)を抽出します。これは当クリニックで行います。

STEP.03

注入

抽出されたPRPを、治療部位(しわ、たるみ、クマなど)に細い注射針で注入します。PRPは自身の血液成分を利用しているため、アレルギーのリスクが低いです。血液採取した当日に治療を受けることができます。

なぜPRPは効果的なのか

PRP療法は、自分の血液から抽出した血小板の濃縮液を利用します。血小板には血液凝固作用があるということは有名ですが、ほかにも機能があります。血小板は成長因子(グロースファクター)と呼ばれる様々な物質を含んでいます。

細胞がダメージを受けると、血小板に含まれる成長因子が分泌され、傷ついた組織や細胞を修復します。成長因子の種類によってコラーゲン・ヒアルロン酸の産生や血管の新生、骨細胞を刺激するなど、機能や役割が異なりますが、組織の修復や細胞増殖を促進する働きもあるため、自然治癒力が高まります。

血小板を濃縮したPRPには通常の3~5倍の成長因子が含まれると言われ、この成長因子の働きによって組織や細胞の修復や痛みが軽減されるというわけです。

PRP療法の
メリット・デメリット

メリット・・・
安全性が高く体への負担が少ない

治療が簡単

採血を行い、血液から抽出した血漿成分を患部に投与するだけ。手術や入院は必要ありません。

安全性の高い治療法

血小板を濃縮したPRPには通常の3~5倍の成長因子が含まれると言われ、この成長因子の働きによって組織や細胞の修復や痛みが軽減されます。自分の血液から抽出した成分を投与するため、副作用やアレルギー反応が起きにくく、安全性の高い治療法です。

肌の再生作用にも効果あり

様々な成長因子を含むPRPでは、皮膚組織の修復・再生にも効果がありますので、安全な美肌治療としてもお受けいただけます。

デメリット・・・
効果には個人差がある

治療の効果には個人差がある

通常の薬剤と異なり、ご自身の血液を元に精製されるPRPは成分が一定ではなく、治療効果に個人差が生じます。また、効果が現れる時期や期間、効果の程度に関しましても個人差がみられます。

痛みや腫れが生じることがある

治療後の数日間は注射をした部分に炎症反応が起こり、痛み・腫れ・熱感・発赤を伴うことがあります。ただし、こちらは一時的な反応であり、徐々に症状が軽減されていきます。

よくある質問

PRPの効果はどのくらいから現れ始めますか?

個人差がありますが、投与してから一週間ほどで効果が現れます。
早い方だと当日に効果を実感される場合もあります。

高齢の場合でも治療は受けられますか?

安全な治療法でありますので、高齢の方でも安心してお受けいただけます。
PRPを精製する所要時間は約30分ですので、お手軽に治療がお受けいただけます。

PRP療法と幹細胞治療の違いは?

PRP療法は血液に含まれる血小板成分を抽出して自然治癒力を高める治療法です。幹細胞治療より精製期間が短く、治療効果が早く現れる傾向があるのが特徴です。
それに比べ、幹細胞治療は損傷した組織を再生・修復できることが特徴です。これにより従来では修復不可能といわれている関節軟骨の治療も可能です。さらに一時的な効果であるPRP療法と比べ、持続期間が長いのも幹細胞治療の特徴です。
また、幹細胞治療では点滴による投与も可能であり、局所だけでなく全身の弱っている機能に対して効果の発揮が期待できる治療法です。